しばらくブログを更新しないうちに、銀座の街はイルミネーションで光輝いております!
2024年(令和6年)も、もう師走です。汗
年々、年末感が無くなるのは、歳のせいか、はたまた環境の変化のせいなのか...
さて今回は、ジャケット生地など薄手の生地を使用したお薦めのコートをご紹介させていただきます。
今年も今のところは暖冬ですが、それでも有り難いことに多くの皆様からコートのご注文を承っております。
多くは、カシミヤやウール&カシミヤなどを中心に、450~550g/mくらいの重さのコート生地でのオーダーが多いですが、そんな中、コート生地ほど厚手ではないジャケット生地やスーツ生地を使用しましましたコートのオーダーも増えております。
私自身、今まで30年ほど、コートを販売してきておりますが、寒がりのお客様と暑がりのお客様で、求められるコートが人それぞれ全く違うことを実感しております。
その中でも、ジャケット生地を使用したコートは、いわゆるオーバーコートよりも軽くて、羽織る感じで着ていただけるので、実は結構重宝するアイテムでございます。
今までも、ジャケット生地を使用したコートは、たくさんオーダーいただいておりますので、暖冬だけがオーダーの増えている原因ではないと思いますが、暖冬でオーバーコートやダウンコートを着る期間が短くなっている分、真冬までのファッションアイテムとして需要が増えているのだと思います。
ということで、今シーズン、お客様へのご提案としてジャケット生地を使用して作ったコートはこちらでございます!
シングルチェスターコートで、腰ポケットを斜めの箱ポケットにした、いわゆるスポルベリーノと呼ばれる軽いコートに仕上げました!
生地は、LORO PIANAのBLAZERSのバンチブックから100%ベビーキャメルヘアーのBACTRIAN(バクトリアン)を選んでみました!
生地の目付は、330g/m~350g/mでございます。
ちなみに、LORO PIANAのBACTRIAN(バクトリアン)は、以前のブログで何度もご紹介させていただいておりますが、OVERCOATSのバンチブックには480g/m~500g/mの生地が収録されておりまして、COLLABORATION STYLEでも長年のベストセラーでございます!
ショップには、BACTRIANを使用しましたPOLO COATのサンプルがありますので、そのままPOLO COATでオーダーいただくお客様も多いです。
そんなBACTRIANのジャケット生地は、キャメル・ベージュ・ネイビー・ブラック・チャコールグレーの5色をご用意しております!
スーツやジャケットとのコーディネートだけではなく、ジャッコーネとして、ニットやシャツとコーディネートしていただいても良いですね!
一枚仕立てのコートのように軽く羽織っていただけます。
また、BACTRIANと同じく、BLAZERSのバンチブックには、軽いコートにお薦めのジャケット生地の様々な素材が収録されておりますので併せてご紹介させていただきます。
まずは、ブレザーとしても、とても人気の高い300~340g/mの100%CASHMEREのビーバー織りのコレクションです。
続きましても、ソフトで高級感があって、人気の高い、SUPER170'S WOOL&CASHMEREのCASHMERE WISH®でございます!
以前、お得意様にCASHMERE WISH®のキャメル色でオーダーいただきましたシングルラグランコートがこちらでございます!
ちなにみ、SUPER170'S WOOLの原毛の細さは15ミクロンで、カシミヤの原毛は14~16ミクロンなので、数値だけで見るとSUPER170'S WOOL&CASHMEREは、100%CASHMEREと変わらないですね!
しかも、価格は100%CASHMEREよりは、少しお安くなりますのでお薦めでございます。
続きましては、270~290g/mの100%WOOLのブレザー生地・CAPOLAVOROでございます。
杢糸使いの色出しが上品なブレザー生地でございます。
そして、ブレザーやコートのクラシックな定番生地、370g/mのDOESKIN WOOL(ドスキンウール)でございます。しっかりとした密度の高い朱子織で織られた生地は、上品な光沢が特徴でございます。
もちろん、LORO PIANAのBLAZERSのコレクション以外にも、コートにお薦めのジャケット生地が沢山ありますので、いつくかお薦めの生地をご紹介させていただきます。
まずは、LORO PIANAと並び、カシミヤやキャメルなどの高級獣毛生地を得意とするPIACENZAのコレクションから100% BABY CAMEL HAIRのDUNES JKACKETでございます!
340g/mのベビーキャメルは、先程ご紹介しましたLORO PIANAのBACTRIANよりも少し張りのある生地で、無地のバリエーションも多く、9色ございます。
そして、このDUNES JACKETのコレクションは、キャメルの生地では珍しく、柄物も多く、ウインドペーン・グレンチェック・ハウンドトゥース・ヘリンボン等のクラシックな柄で、カラーバリエーション豊富に揃っております。
ジャケット生地を使用したコートは、軽さに加えて、コート生地よりも色柄のバリエーションが豊富なので、既製品のコートには無い色柄を選んでいただけるのも特徴ですね!
続きましてご紹介する生地は、HARRISONSのMOONBEAMでございます。
こちらは、HARRISONSの秋冬シーズンの定番ジャケット生地で、75%LAMBSWOOL&25%ANGORAで320g/mのクオリティでございます。
ANGORA(アンゴラ)は、アンゴラウサギの毛で、英国製の生地としては、ソフトな織りで軽いタッチが特徴のラグジュアリーな生地でございます。
MOONBEAMも英国製らしいクラシックな色柄が揃っておりますので、コートにも使い易いと思います。
個人的には、約15年程前に、こちらのグレンチェックの生地でコートをたくさん販売した記憶がございます!
その当時は、毛芯も肩パッドも無くして、細身返しの超軽量スポルベリーノで仕上げておりました!
当時、たまたまショップにお越しいただいたHARRISONSの社長、ジェームス・ダンスフォード氏に、「クラシックな英国の生地をイタリアのコートにしやがったな!」と言われたのを思い出します。笑
続きまして選んだ生地は、FOX BROTHERSの定番ジャケットコレクション・SOMERSET JACKETINGでございます。
100%WOOLの340~370g/mで、もっちりとした膨らみ感があって、温かく柔らかい生地でございます。
太い糸を使用しましたヘリンボンやツイル(ダイヤゴナル)は、コートとの相性も良いですね!
FOX BROTHERSらしい大柄の生地も、インパクトがあって格好良いです!
続きましては、DRAPERSの定番ジャケットコレクション・OPALIS(オパリス)でございます。
100%WOOLの310g/mの生地は、柔らかすぎず、しっかりとハリコシがあるので、コートにしても仕上がりがきれいだと思います。
OPALISのコレクションも、ガンクラブチェックやハウンドトゥース・ヘリンボンなどのクラシックな英国柄が中心ですが、イタリアらしい色使いなので、HARRISONSやFOX BROTHERSとは、また違った印象になると思います。
そして、今回最後にご紹介する生地は、今シーズン、バンチブックがリニューアルしましたW.BILLのCLASSIC SHETLANDでございます!
スコットランド製の390g/mのシェットランドツイードで、現在、日本国内で流通しているハリスツイードやドネガルツイードよりも少し軽く、ざっくりとしていて、きれいな発色の生地も多く、いわゆるコテコテ(笑)のツイード感は強く無く、ツイード初心者でも使い易い生地だと思います。
ざっくりと羽織るラグランコートやショート丈のジャッコーネ(ピーコ―ト)などのデザインと相性が良いと思います。
今シーズンは、まだシェットランドツイードでオーダーいただいたコートはありませんが、ご参考としてハリスツイードのラグランコートは、こんな雰囲気に仕上がります。
ということで、今回のブログも長くなりましたが、ジャケット生地を使用したコートのお薦めの生地をご紹介させていただきました。
オーバーコートをお持ちで、もう少し軽いコートやカジュアルなコートをお考えの方や、ほとんどコートを着られないような暑がりの方に、ぜひ新しいアイテムとしてジャケット生地で作るコートをご検討してみてていただけたら幸いです。
そもそも、ジャケット生地やスーツ生地でもコートのカタチになってしまえば、それはコートなのですが(笑)、ご自分のイメージやお好みで、いろいろな選択肢があるのがオーダーの良さでもありますので、ぜひいろいろな組み合わせでお楽しみくださいませ。
さて、今年も今のところ暖冬ではございますが、ラニーニャ現象によりこれから寒くなるという話もありますので、冬が終わってみないと何とも言えませんね。笑
ただ、暖冬でも、冬の装いはコートが主役になりますので、皆様の素敵な装いのご参考になれば幸いです。
COLLABORATION STYLE 上原祥意