9月に入っても夏が粘っておりますね。汗
個人的には昨年の方が暑かったような気がしていますが、今年の方が残暑が長引いているようですね。
昨年は、11月まで暑かったので、今年はそこまでではないことを期待しております。
さて、今回も前回に続きまして、2024年秋冬新作服地の中から、LORO PIANAのPROPOSTE ABITIをご紹介させていただきます。
前回のブログでご紹介させていただきましたPROPOSTE GIACCHEと同様に、LORO PIANAが1シーズン限定で編集するコレクションで、2024年秋冬シーズンは、6種類の素材で53色の生地を取り揃えております。
早速ですが、ざざっとご紹介してまいります。
まずは、AUSTRALIS SUPER150'sの起毛素材が5色。
SUPER150'Sの原毛をあえて60番手の糸に撚りあげて、経糸・緯糸ともに双糸で織り上げた生地で、フランネル調ではありますが、コンパクトヤーンの為、毛羽立ちも起きにくく滑らかで高級感のある風合いでございます。
グレンチェックなどのクラシックで上品な色柄をご用意しております。
続きましては、先染にしたニュージーランド産の原毛を特殊な撚りをかけてツイルに織り上げたZELANDER NATURAL STRETCHでございます。
ニュージーランド産の原毛を使用する事により表面の光沢、柔らかな風合い、美しいドレープを表現した素材で、最大の特徴は特殊な撚りによるナチュラルストレッチでございます。
さらに仕上げの最終工程にて生地の表面を起毛する加工を施した、セミミルドタイプのソフトなスーツ素材でございます。
柔らかく暖かみのある色柄で11色ご用意しております。
続きましては、98% WOOL 2%EA (Polyurethane)で、縦横共にストレッチ性のある素材・MOOVING 2WAYS でございます。
通気性が良くシワになりづらいドライなタッチのファインウールにわずかなLYCRA をブレンドすることで、快適な着心地の素材を実現しました。
写真では上手く柄が写らない(汗)地色に馴染んだ柄は、高級なプレタポルテで使いそうな生地でございます。
軽やかなスーツやセットアップスーツにお薦めの生地でございます。
続きましては、SUPER130'SWOOLに特殊な撚りをかけてナチュラルストレッチを持たせた365 NATURAL STRETCHでございます。
ナチュラルストレッチの生地はスリーシーズンのクオリティが多いですが、こちらの生地は、クリアカットで300g/mに織り上げられているので、ウィンターシーズンまで快適にお召しいただけます。
こちらの素材も、地色に馴染んだ目立たないストライプとチェック柄で6色ご用意しております。
このイタリア製ならでの柄出しの生地は、しばらく少なかったと思いますが、今シーズンのLORO PIANAのPROPOSTEでは増えておりますので、今後は他の生地ブランドでも波及して増えてくるもかもしれません。
生地の色柄は、時代や景気に意外と影響を受けますので、今後どのようなトレンドになるのかも気になるところですね!
続きましては、97%WOOL 3% EA (Polyurethane) のJERSEYLY(ジャージリー)でございます。
JERSEYLY(ジャージリー)は、数年前からLORO PIANAで展開されている素材で、読んで字のごとく、ジャージー(ニット)ではなく、ジャージー風な布帛生地のことです。
細番手のウールを経糸、緯糸、ともに双糸でツイルに織り上げた、こちらも縦横とも伸びる2ウェイストレッチで、310g/mの温かみのあるフランネルルックに仕上げられています。
こちらのJERSEYLYのコレクションは、今シーズンのPROPOSTE ABITIの中で最も多い色柄を揃えた素材でございます。
ベーシックなグレンチェックとシャープでモダンなダブルストライプで10色。
ブリック、ブルーグレー、グリーンなど糸染めから出来上がる繊細でユニークなバリエーションのプレーンカラーが7色揃っています。
そして、今シーズンのPROPOSTE ABITIの最後にご紹介する素材も、98%WOOL 2%EA(Polyurethane) のMOOVING 2WAYSでございます!
先程ご紹介しましたMOOVING 2WAYSは270g/mの目付で、こちらは260g/mの目付けですので、ほんの少しだけ組織が違います。(正直、ほとんど分かりませんが...)
こちらも、縦、横ともにストレッチ性が加わった 2WAYSタイプで、シワになりづらいドライなタッチのファインウールにわずかなLYCRA をブレンドすることで、ストレスの無い快適な着心地の素材でございます!
この素材の特徴でもある色彩の異なる先染の糸を組み合わせて深みのあるデザインは、先程のMOOVING 2WAYSと同様に、今までオーダー用の服地のコレクションにはあまり無かった高級プレタポルテで使用されるような雰囲気の色柄でございます!
はっきりとした柄ではなく、地色に馴染んだ細かい色柄は、スタイリッシュで軽やかなスーツスタイルやセットアップスーツなどにお薦めでございます。
ということで、今回も生地の画像を多めで、PROPOSTE ABITIのコレクションをご紹介させていただきましたが、なんと最初にご紹介しましたAUSTRALIS SUPER150's以外は、全てストレッチ素材でございます!
ナチュラルストレッチとポリウレタン混紡のストレッチの違いはありますが、ヨーロッパ(特にイタリア)では、日本以上にストレッチ素材の割合が増えております。
日本でもビジネススタイルも自由度が増し、Tシャツやデニムなどの完全なカジュアルスタイルやセットアップスーツなどの軽やかなスーツスタイルも増えておりますが、一方でセレクトショップや本格的なテーラーなどではクラシックなスーツスタイルも人気があり、シルエットも5年ほど前まで続いたタイトなシルエットから本来のクラシックで程よいゆとりのスーツに変化しております。
しかし、イタリアではビスポークスーツ以外は、まだまだタイトシルエットのスーツが多いようですので、そういった事情もあってストレッチ素材が多いという話もございます。
ただ、特にエラスタン(ポリウレタン)が混紡されたストレッチ生地は、縫製やプレスで伸びも縮みもするので、とても工場泣かせの素材ではございます。汗
なので、ストレッチの生地をオーダーされる場合は、仕上がりに多少サイズのブレがあることをご了承いただけますと幸いです。
ただ、多少仕上がりのサイズが違っても、ストレッチなので着心地は損なわれませんのでご安心ください。
ということで、今回のブログも長くなってしまいましたが、ご覧いただきましてありがとうございます。
本格的なシーズンに入りバタバタしてくるとなかなかブログを更新できないので、今のうちに頑張ります!!!笑
COLLABORATION STYLE 上原祥意