三寒四温と言われるように、ここ数週間は、気温の高低の幅が大きく、体調管理が難しいですね。そして、花粉もかなり飛んでますね。汗
東京は、まだまだ新型コロナウイルスの陽性者数が多いですが、まだ直接の知り合いには陽性になった人はいないので、どこで罹っているんだろう???というのが、正直な感想です。
とりあえずは、緊急事態宣言が解除されて欲しいですし、早く感染拡大が終息して欲しいですね。
さて、なかなか厳しい世の中ですが(笑)、2021年春夏シーズンも素晴らしい新作生地が入荷しておりますので、ご紹介させていただきます!
今回ご紹介する生地は、COLLABORATION STYLEでも、世界的にも、ベストセラーのスリーシーズン素材・LORO PIANAのTASMANIAN®(タスマニアン)でございます。
2021年、そのタスマニアンが、TASMANIAN®SUPER170'S WOOL(タスマニアン スーパー170'S)へとリニューアルいたしました!
何度かこのブログでも書いておりますが、私がロロ・ピアーナのタスマニアンを取り扱い始めた頃は、スーパー120'Sでした。
それからスーパー130'Sになり、ここ12、3年はスーパー150'Sのクオリティで作られておりました。
それが、とうとう2021年にSUPER170'S(スーパー170'S)へとアップグレードいたしました!!!
ほんの20年ほど前にはSUPER170'Sの生地が普通にオーダーできる生地として使えるとは思っておりませんし、とてつもなく高額な生地だったと思います。
本当に技術の進歩というのは凄いですね。
羊を飼育する技術も、糸を作って生地にする技術も、まさに進歩しております!
個人的には、今シーズンの新作生地の中での一番のトピックが、ロロ・ピアーナのタスマニアンが、スーパー170'Sにアップグレードしたことです。
しかも、今回のリニューアルは、タスマニアンウールの原毛がスーパー150'Sからスーパー170'Sになったということだけではなく、糸番手や織り方も変更され、生地のクオリティもかなりアップグレードしております。
少し専門的な話になりますが、スーパー170'Sの原毛は、およそ15マイクロンという細さになりまして、15マイクロンと言えば、ほとんどカシミヤと同じ細さになります。
その細い原毛の特徴を最大限に発揮して、かつスーツに耐えられる生地にするために、イタリア製の生地に多い、緯糸(よこ糸)単糸(1本使い)から、今回のニュータスマニアンは双糸(2本使い、2PLY)に変更されました。
具体的な数値で言いますと、経糸(たて糸)が96番手双糸から104番手双糸へアップ。緯糸(よこ糸)が60番手単糸から104番手双糸へとアップグレードいたしました。
経糸は元々双糸なので、番手が高くなった分、より滑らかさがプラスになります。緯糸は番手が高くなった分、104番手の糸を双糸(2本の糸を撚って1本にする)にすることで、結果的に52番手の太さの糸として使うことになり、生地に安定感と耐久性を持たせています。
以上のようなアップグレードをすることで、原毛の価格はもちろん、糸の使う量もかなり増えておりますが、なんと生地の価格は、アップせずに据え置きですので、COLLABORATION STYLEでオーダーいただくスーツの価格も変更ありません。
現状のコロナ禍の状況も踏まえた戦略的な価格かもしれませんが、企業努力が素晴らしいですね!
と、今回も前置きがかなり長くなってしましましたが(汗)、LORO PIANAのSUPER170'Sで作ったサンプルスーツがこちらです!
最近はどうしてもネイビーベースの生地を選びがちでしたが、今回はグレージュベースに、ベージュ・ブラウン・グレーでチェックの入った生地を選んでみました!
こういう中間色は、ロロ・ピアーナは本当に上手いですね!
上品な光沢もあり、高級感があります!
そして、自分のスーツもオーダーしちゃいました!!!
今まで、ロロ・ピアーナのタスマニアンでは何着作ったか覚えていないくらい作っておりますので、もちろん新しいタスマニアンで作らない理由がありません!
選んだ生地は、ここ数シーズンは同じような生地ばかり選んでいるような気がしますが、ネイビーのチェックでございます。
それほど目立たない感じが、良い感じです!
実際に着てみた感想は、スーパー150'Sよりも、ソフトでふんわりと膨らみ感がある印象です。
肌触りが、かなり滑らかで気持ちが良いですが、柔らかさでだらっとした感じは無く、どちらかと言うと空気を含んでエアリーな感じです。
生地の目付けは、スーパー150'Sの時と同じ250g/mですが、着た時の印象は、スーパー170'Sの方が軽く感じます。
とにかく、ソフトで光沢があり、上質なスーツでございます!!!
気持ちが良いです!
<今回のコーディネイト>
SUIT:COLLABORATION STYLE
SHIRT:COLLABORATION STYLE(Fabric by ALUMO)
TIE:Atto Vannucci Settepieghe
SHOES:YUKI SHIRAHAMA BOTTIER
よく、スーパー150'Sやスーパー170'Sなどの生地は弱いと言われますが...確かに強くはありませんが、今までCOLLABORATION STYLEでLORO PIANAやDRAPERS、CACCIOPPOLIなどの生地でスーツをオーダーされてるお客様には特に問題は無いかと思います。
どうしても、最近は、各生地メーカーはクラシックなウール生地のコレクションよりも、変化球でカジュアルな雰囲気の生地やストレッチなどのコンフォートな生地を多く発表しておりますが、久しぶりにベストセラーの高級生地のリニューアルなので、クラシックなスーツが得意なオーダースーツ屋としましては、嬉しい限りです!
今回のTASMANIAN®SUPER170'S WOOLのコレクションは全70色ございますので、他の生地も一気にざざっとご紹介させていただきます。
まずは、メランジ調のファンシーなストライプ。
まだまだ、どの生地メーカーもチェック柄が多いですが、少しずつストライプが復活してくるでしょうか。
先程ご紹介しましたサンプルスーツの生地の色違いもございます。
よく見ると2本+1本のラインで入っているウインドペーン柄です。
メランジのチェック柄は、ロロ・ピアーナには最近多い柄です。
私がオーダーしたスーツ生地も、色違いで全5色展開です。一番シンプルなチェック柄です。
よく見ると4本のラインで構成されているストライプです。この雰囲気の柄も、ロロ・ピアーナには多い柄ですね。
シンプルなチョークストライプ。最近、意外と無い、少しぼやかした感じのストライプです。高級感のある大人のスーツに仕上がりますね!
ロロ・ピアーナらしい配色のピンストライプ。
マイクロチェックと言いますか、ピンヘッドと言いますか、光沢が出やすい生地ですね。
無地っぽいけど普通の無地じゃつまらないというお客様にお薦めです!
ロロ・ピアーナには必ずある、マイクロヘリンボンです。
最近、COLLABORATION STYLEでもオーダーが増えているバーズアイは6色展開です。
一番下に写っているグリーンのバーズアイが格好良いですね!
織りで細かく入ったチェック柄です。
この雰囲気の生地も最近のロロ・ピアーナに多い生地ですね。少し離れると無地ですが、よく見ると織りが入っている生地で、これも無地っぽいけど無地じゃない生地が好きな方にはお薦めです。
仕上がりも結構格好良いと思います!
そして、タスマニアンではかなり人気の高いシャークスキンは9色のバリエーションでご用意しております。
何だかんだで、タスマニアンの無地は永遠のベストセラーでございます。
今回のバンチブックにはシャークスキンとツイルで30色のバリエーションでご用意しております!
お客様からの「良い生地の無地で」というリクエストでは、必ず候補になる安定のベストセラーでございます。
ということで、今回のブログも長くなってしまいましたが、2021年にリニューアルした、ロロ・ピアーナのタスマニアンスーパー170'Sをご紹介させていただきました。
2020年からの新型コロナウイルスの影響で、欧州の生地メーカーも大きな打撃を受けている中、新作コレクションを発表できるのは素晴らしいですね!
COLLABORATION STYLEも負けてはいられませんので、どんどん新しい情報を発信して参ります。
ぜひご興味のあるお客様は、ショップで実際に見て触ってご覧くださいませ。
COLLABORATION STYLE 上原祥意